先日、小さなチーム、大きな仕事を読んで面白かったので、37signals(basecamp)の次の本である強いチームはオフィスを捨てるを読みました。
在宅ワーク、リモートワーキングのノウハウ本という感じの本ですが、元々リモートワークで仕事を進めてきた会社なので、実践的な視点がたくさんあり非常に参考になりました。
この本の中でも、リモートワークに対する考えをアップデートするために書かれた。と言っているとおりリモートワークのメリット・デメリット、気をつけるべき点などを細かにかかれていて、思ったより現実的な方法なのかと気づくような内容になっています。
リタイアしてから楽しむという人生はやめる
何十年も先のことを待ち続ける人生に、何の意味がある?働けるうちは仕事に専念し、リタイアしてから好きなことをやるという考えはもう捨てよう。これからは、仕事も趣味も同時に楽しめる時代だ。
リモートワークは、仕事の密度を高めて生産的な時間を濃縮することが出来るため、常に十分な余暇を得ることができるのだと本書にはかかれています。
どうやら、リモートワークの欠点は、働かないことではなく働き過ぎることであるらしい。
それは、意外な発見だったけれど、ぼくにも心当たりがあります。一人で集中できる時間が無限にあるのであればいくらでもブログを書いたり、プログラミングできてしまうと感じるときがたくさんあります。これは、どこかで何かでしっかりとけじめをつけてやめないとダメだなぁとも思うのです。生産性が低く時間がかかっているわけではなく、その日の内にやりたかったことは全て終わっても止まらないような感じになってしまうことも結構あります。
オフィスでのコミュニケーションがないことはマイナスにならない
例えば、アイデアを出し合って新しい企画を形にしていく、そういった時は楽しくて人と人が顔を合していないとそういった機会を損失してしまうのではないかという意見も多いと思います。
でも、本書ではコミュニケーションの大切さはきちんと把握した上で、やはりリモートワークで大丈夫であると説いています。
みんなで机を囲み、その場で思いついたアイデアをどんどん重ねていく。ひらめきの波が伝わり、いつもより頭が冴えてくる。あなたもきっと、そんな間隔を肌で知っているだろう。そういう「場」の魔法があることは事実だ。でもその魔法を起こすのに、物理的に同じ部屋にいる必要はあるのだろうか。
必要は、あると仮定してみよう。もし仮にそうだとしても、やはり疑問がある。そもそも一つの会社はどれぐらいの画期的なアイデアを処理できるものだろう。それほど多くないはずだ。
ほとんどの仕事は、すでにあるアイデアをさらに洗練させるプロセスだ。アイデアを形にし、より使いやすく磨きあげていく。それが仕事の本質だ。ひらめきの連鎖は会議室以外でも起こる。必要なのはたった2つ。音声がつながっていて画面が共有できればい。
ぼくは、オンラインだけでは成し得ない何かはあると思いますが、アイデアのためだけにリモートワークの可能性を消すのは勿体無いとも思います。
アイデアを出すとしても、その人に何かを貯めこむ時間が必要だと思いますし、その貯めこむ時間はリモートワークの方が充実しているように思えるのです。こればっかりは、やったことないから想像でしかありませんけど。
バラバラの時間ではなく何時間かは同じ時間をリモートワークで過ごす
リモートワークだからこそ、チームワークやコミュニケーション、そういった力を引き出すことにも注意を向ける必要があるのだと思います。
37signalsでは、毎日4時間は同じ時間に働くようにしているそうです。これは時差を考えて少し早かったり遅かったり、朝と夕方という働き方だったり。そうやって、チームとしての時間を共有しているようです。
それと、年に2回顔を合わせて数日間過ごすミーティングがあるようなのですが、とても密度が濃く素晴らしい時間を過ごせるのだと言います。
毎日顔を合わせていると話しかけるコストが低くなりすぎて、どうでもいいことで声をかけてしまうこともありますが、これも遠く離れていればちゃんと何を話して、どういった意見やアイデアを重ねようとかそういった焦点を絞った真剣勝負を毎回するようになるのでしょう。
これは、そういった気持ちで過ごすだけでも良さそうなので、心がけてみようと思いました。
さいごに
ぼくは、リモートワークに非常に興味がありますが、実際にやったことはありません。
こういう考え方が日本でメインストリームになるにはたくさんのハードルがあるなぁと日々感じています。
しかし、クラウドというマーケティング用語も定着して、外でもどこでも仕事ができる環境が整ってきているということは実感している方もたくさんいると思います。Dropboxだけでもすごく便利ですけど、今ではOfficeもGoogle Driveもあるんですよ。
最近、少しづつでもクラウドの恩恵に授かってきたそういった方々にもしっかりとオフィスから離れて仕事する上でのイメージを持てるようになる、そんな本です。