やってのける – 意志力を使わずに自分を動かす – ハイディ・グラント・ハルバーソンを読みました。
いわゆる意志力についての本です。
自制心や習慣、無意識など、色々な角度から「やってのける」方法をまとめた一冊です。
いくつかの、意志力や習慣などの本に書いている共通の考え方を上手くまとめてます。
そして、自己啓発本にあるような必ず成功するというようなことは本書にはなく、成功するための力を伸ばすことができるという視点で書かれていることも特徴的です。
「WILLPOWER 意志力の科学」や「スタンフォードの自分を変える教室」、「習慣の力」などを読んだあとで読むとさらに分かりやすい部分もありますが、全体を通して読みやすい本です。
自己分析と目標を設定するロジックは、とても良くまとまっていて試してみようという気になります。
著者は、「成功できる」と信じることと、「容易に成功できる」と信じることの違いを理解しなければならないと繰り返し忠告します。
これは、全体を通してポジティブな思考に警鐘を鳴らすという意味でもあります。
ポジティブな思考のメリットは認めつつも、価値のある目標を達成するには過酷な障壁がつきものであるという現実を考えると、ポジティブな思考のデメリットを理解するべきなのでしょう。
つまり、非現実的な楽観主義はやめるということです。
そして、成功するまでの計画や目標を達成している姿をイメージするという意味でのポジティブな思考こそが正しいポジティブな思考なのだとしています。
条件型計画という、「もし・・・なら・・・する」というif-thenでまとめられる計画を容易して、目標達成を助ける方法にも触れています。
これには、ポジティブな思考が大いに役立つと思います。
目標を達成できるかどうかは、生まれつきの脂質のみでは説明できない。
目標を達成する能力は、誰でも高められる
目標の達成については、できる限りポジティブに考えます。成功を確信すればモチベーションが上がります。ただし道のりを甘くみてはいけません。
数十年にわたる心理学の研究結果が支持しているのは「人は努力によって着実に自らを変えていける」という考えです。
「何」「時間」「場所」を、「〜のときは、〜をする」や「もし〜であれば、〜をする」といった条件型計画として、文章にまとめます。
目標達成の家庭で生じ得る障害物や気を散らす対象が何かを明らかにします。そして、それらに対処するために、条件型計画を作成します。
ゴールの瞬間ではなく、ゴールに向かう細かなプロセスをイメージする方が効果的です。
さいごに
先を見据えた抽象的なメリット(目標を達成したら・・・)と目の前の具体的なやるべきこと(10ページの復習をする)の二つの視点を使い分けることで、取り組むべき力を上手く引き出すという考え方は、非常に論理的です。
忘れかけたときにまた読みたいなと思いました。